升佑二郎、佐藤優希、藤野和樹
本研究では、バドミントン競技における動き出し時の大腿筋活動について検討し、センターポジションからフロントコートへのトラベリング動作の指導法に関わる知見を得ることを目的とした。フォアハンド方向では押し出し脚大腿直筋の筋活動電位の立ち上がりの変化率と移動速度の間に有意な負の相関関係が認められ、振り出し脚大腿直筋の筋活動電位の立ち上がりの変化率と移動速度の間に有意な正の相関関係が認められた。バックハンド方向においては押し出し脚および振り出し脚ともに大腿直筋の筋活動電位の立ち上がりの変化率と移動速度の間に有意な相関関係は認められなかった。これらのことから、フォアハンドおよびバックハンド側への前方移動では動き出し時の下肢筋活動の特徴が異なり、フォアハンド方向では押し出し脚大腿直筋の活動を小さくし,振り出し足大腿直筋の活動を大きくした動作様式を指導すること、バックハンド方向では下肢のみならず体幹の回旋を考慮した動作様式の指導が重要で あると考えられた.