著者:粟飯原希・柴田裕希・朝倉暁生・小野聡
緑地の喪失を伴う開発事業には環境影響評価(以下,アセス)が有用とされる一方で,そのようなアセスの適用実態や事業の特徴を網羅的に調査した研究は未だにない。そこで,それらを明らかにするために,本研究では67 地方自治体を対象にアンケート調査を行った。その結果,過去5年間の全国の緑地を対象地とした開発事業のアセスは88 件実施され,対象総面積は4,926ha,道路・ごみ処理施設・産業用地等の3事業種で緑地の全開発件数の半数以上を占めることが明らかになった。また,各都道府県がアセスで定める規模要件と開発事業数との間に中程度の相関が認められた他,公共性の高い主体が事業者である事業が全体の6割以上を占めることが確認された。