気候変動に対する適応のための地域的な取り組みが重要視されている。雪害についても、極端な降雪による社会的リスクは今後も維持されると考えられており、積雪に対する公的・私的な対処のあり方や社会的影響を踏まえて、計画を策定する必要がある。とりわけ人口減少や高齢化が進む地域においては、集落機能の再編を考える上でも雪害は重要な論点となる。本研究は、著者らが実施した雪害による社会的影響のシミュレーション研究を、地理的条件を反映できるようにネットワーク構造を組み込んで改良したモデルを提示する。また、特定の地域を想定してシミュレーションを実行した結果を元にモデルの当てはまりの良さと、気候変動適応策に対する示唆について議論する。