「有償ボランティア」は行政・企業・無償のボランティアによるサービスでは対応しきれなかった多様なニーズに応え、利用者と支援者の対等性や多様性を確保しながら多くの人々にとってアクセスしやすい金額でサービスを提供しており、社会的包摂を推進している。
“重い”活動であるために支援者が謝礼金を受け取ることには正当性があるとされるが、その一部を運営費に充当するだけでは活動資金が不足するばかりか、ボランティアと労働の間の曖昧な位置づけゆえに法人税が課税され、謝礼金がむしろ有償ボランティア実施組織の収支状況を苦しくする会計的なジレンマがあることが明らかになった。
この曖昧さと会計的なジレンマを克服するための方策案を提案する。