昨年提示した、社会的課題解決のためのセクター間協働の発展プロセスを精緻化するため、「ひとつの協働と相互作用をもつ他の協働との関係」および「調整主体の役割」にかかわるリサーチクエスチョンを設定し、先行研究の検討を行った。
検討の結果、次のことが明らかになった:セクター間協働は、境界連結者(個人)による調整・マネジメントをもって生成、実行、進化という段階を経て発展していくこと。同一組織内に現場レベルと管理職レベルの2 階層の境界連結者を擁すること。現場レベルの境界連結者間での非公式・個人的な連結からはじまり、管理職レベルの境界連結者によって現場レベルの境界連結者が組織の代表的個人として公式化され、代表的個人間の連結が組織間関係として制度化されると(特定の個人ではなく)代表を務める担当ポストの就任者を介した連結となること、など。
これらの検討結果を踏まえ、セクター間協働の発展プロセスの修正版を提示した。