厚生労働省が 2025 年を目途に構築を目指す「地域包括ケアシステム」では , ボランティ
アや地域住民による「互助」の強化が推進され , ボランティアや地域住民など生活支援の
担い手となる人々に対する期待が高まっている。その一方で担い手不足やサービス品質低
下の問題も指摘されている。本研究では , 生活支援サービスの担い手のモチベーションを
向上させる要因 , 望ましい生活支援のあり方とその品質を保証する方策を明らかにすること
を目的として , 活動履歴管理システム「キャリア介護システム」を用いた実証実験を行った。
その結果 , 生活支援サービスの担い手(若年層と高齢層)のモチベーションを高める要
因 , サービス利用者と担い手の双方にとって望ましい生活支援サービスのあり方 , その望
ましいサービス品質を保証するための学習システムについてのインプリケーションを得る
ことはできた。今後 , 調査方法や内容に修正を加えながらさらに実証実験を行い , より多
くのデータを得て , 今回得られたインプリケーションを精査・検証していくことが必要で
ある。