「再帰性概念における「異質な他者」ーA.ギデンズとU.ベックのモダニティの再帰性理論の批判的検討を通じて」
本稿では、アンソニー・ギデンズとウルリッヒ・ベックのモダニティの再帰性理論を批判的に検討し、これまで再帰性理論に欠けているとされてきた、「異質な他者」との邂逅に関する理論内在的な可能性を論じた。再帰的近代化の過程で、自己と他者の関係はリスク管理か全面的な敵対に陥りがちだが、一方でモダニティの再帰性は自己の内部に排除することのできない「異質な他者」の内在を明らかにもする。現代における自他関係を「異質な他者」をキーワードとして再考した。
慶応義塾大学湘南藤沢学会『KEIO SFC JOURNAL』
Vol.11, No.2