「戦後日本社会における老人の多様化に関する一考察」
本稿は、戦後日本社会の高齢化を巡る議論を整理し、社会集団としての「老人」の変容を検討している。1980年代以降、老人の多様性への着目は、政策レベルにおける認識の変化と高齢者政策に貢献した一方、加齢に伴う課題を「老人」という社会集団の問題として把握しようとする従来の政治的・社会的枠組みの解体にも寄与してきた。「老人」の多様化は反エイジズム、政策実践論、近代化論という3つの文脈に大別される。
慶応義塾大学湘南藤沢学会『第3回研究論文発表大会』