「ノルベルト・エリアスにおける概念史と社会史――歴史社会学の方法論的反省のために」
文明化論として知られるエリアスの議論は、フランスにおける文明概念、ドイツにおける文化概念など「自意識」に関わる概念が構成されていく際の社会的諸関係を、解明したものである。それは、概念に内在する歴史過程の抽出であり、「文明」概念の過程と「文明化」の過程という「二重の過程」が含意されている。この社会史的な概念史の視座を、エリアスの博士論文から『社会学とは何か』までの諸著作を辿りながら考察した。
『埼玉大学紀要(教養学部)』
第39巻(第2号)