「ヴェーバー宗教社会学における〈正統と異端〉」
ヴェーバーは、「正統と異端」がキリスト教文化に適合的な分析視角であるにもかかわらず、プロテスタンティズム論文ではそれを正面から扱わず、逆にインドや中国などアジア的宗教の分析に大枠として用いている。従来見逃されてきたこの問題は、急逝によって果たされなかった『原始キリスト教』『西洋キリスト教』の、あり得べき記述の可能性を示唆するものといえることを明らかにした。
『年報社会学論集』(関東社会学会)
第16号