2006年1月に生活意識研究会(代表者:宇都宮京子・東洋大学教授)が行った東京23区民意識調査のデータを用い、①観念、②効果、③実践の3点に関する肯定/否定のデータの「首尾一貫性」を抽出してそれを「合理性」として捉え、「合理性」の程度を考察した。①②③が(+++)のケースが最多(35.4%)で、(---)も第3位(14.0%)となった。両者はともに「首尾一貫」した「合理的」態度とみなせるため、呪術排除の力学は、特定の合理性に特定の価値が付与されることで作動すると考えられる。また(-+-)などの中間形態はほとんど見られず、(+++)と(---)は徐々に段階的に移行するのではなく、相転移的に移行すると推測される。