『ガバナンスとリスクの社会理論――機能分化論の視座から』
(編著者:正村俊之)第4章「宗教とリスクの交錯――世俗化論の変容をとおしてみた諸相」(荒川敏彦)109~143頁。あまり検討されてこなかった宗教論とリスク論とが交差する地点について、かつての単線的発展段階論を脱して議論が複雑化している「世俗化論」を整理しながら、(1)宗教に積極的にコミットすることで生じるリスク問題(信教の自由、リスク回避のための宗教)、(2)宗教に消極的であるがゆえに生じるリスク問題(リスク認知の遮断、主観的無宗教)、(3)科学としての宗教研究とリスク問題について考察した。
勁草書房