「定式配賦方式による課税ベースの国家間の配分」
現在、移転価格税制では独立会計に基づき移転価格問題が処理されるが、企業活動の複雑化に伴い、その問題が表面化している。そこで、本稿では、まず移転価格税制における独立会計の位置を確認し、その問題点を指摘している。次に、独立会計に代わる定式配賦方式に関して理論と制度の両面から考察している。そして最後に、近年の定式配賦方式の導入に向けた議論を検討し、定式配賦方式の将来的なあり方を提言している。
明治大学大学院『経済学研究論集』第25号