本稿では、まず租税回避とは何かについて再考察している。租税回避に関しては明確な定義が存在しないが、法形式の選択を判定基準とすれば、不当なその選択によるものが租税回避になる。そこで本稿では、国内法の法形式の不当な選択によるものを国内法型租税回避、外国法を巧みに利用したものを外国法型租税回避に類型化して、それぞれの類型に応じたOECD及び各国の国内的な対策(個別的否認規定、包括的否認規定)を模索している。OECDはBEPSプロジェクトを進め、世界各国も租税回避の一掃に向けて取り組んでいるが、国内法型租税回避と外国法型租税回避にOECDは間接的に関与すべきであり、直接的には関係各国が対策を講じなければならないと主張している。