「多国籍企業による租税回避の合法性」
本稿では、OLI理論を援用して多国籍企業による租税回避の合法性について検討している。一般的には、租税回避は非合法であり、社会的厚生を低下させると考えられる。しかしながら、本稿では、OLI理論によれば、多国籍企業によるタックスヘイブンを利用した租税回避は地理的な優位性を求めた結果であり合法性があると結論づけている。また、その租税回避の防止はむしろ社会的厚生を低下させると主張している。
千葉商科大学国府台学会『千葉商大論叢』第54号 第1号