「OECD移転価格対策の今後のあり方」
本稿では、OECDが求める関連者間取引と非関連者間取引のパリティとの関係から国際取引の公正性を定義づけ、それに基づきOECD移転価格対策のあり方を模索している。近年OECDはBEPSプロジェクトを立ち上げ租税回避の防止に取り組んでいるが、本稿はそれを批判している。結論としては、OECD移転価格対策は、国際取引の公正性の観点から、租税回避の防止ではなく経済的二重課税の回避を目的とすべきと主張している。
千葉商科大学国府台学会『千葉商大論叢』第53巻 第1号