会計監査において、見積りの監査へのITの活用は、貸倒・賞与引当金などの見積りの不確実性に関して、客観的な評価方法やデータが利用可能であり主観性が少ない場合は実施されているが、繰延税金資産の回収可能性など主観性が強い場面におけるITの適用は、必ずしも深い利用に至っていない。
AI(人工知能)などの技術を監査においても取り込むべきであり、特に主観性が強い場面において、監査人の判断に資する情報を提供することは有用である。但し、被監査会社から提供される情報の信頼性、被監査会社におけるITの活用状況、データの標準化と守秘義務の問題が課題となっている。