データ分析などデータを活用するためには,データ標準化が重要である。このデータ標準化に関して,自社やグループ内にとどまらず,ISO21378 やデジタルインボイス(JPPINT)のように社会的基盤として策定し,社会的インフラとして利用していく動きがある。この動きは企業のみならず,会計監査を行う会計監査人に取っても有益である。特に,コンピュータ利用監査技法(CAAT)の実施において,被監査会社ごとにデータ形式が異なり,作業負担が大きいという現状から作業効率を高めることが期待されている。
本稿では,社会的基盤としてのデータ標準化に関して,どのような効果があるかを検討するとともに,入力データ,出力データに分類し,その動向について述べている。また,会計監査において,どのような影響があるかに関して,入力データ,出力データの分類から検討するとともに,証憑類データ(入力データ)と出力データのデータ標準化によって,仕訳データからの検討に加え,証憑類データからあるべき仕訳を推定して検討するというDual Tracking( 2 つの選択肢)や監査データアナリティクスの手法を提示している。