アウトソーシングとインハウス化:事業活動範囲の再定義 ―米国クレジットカード産業の事例から―
アウトソーシングとインハウス化という二つの相反する動きは、make or buyに関する意思決定にとどまらず、企業の事業活動範囲(scope of the firm)、企業の境界をどこに設定するかという問題をも孕んでいる。本稿は、米国クレジットカード業界におけるアウトソーシングの活用と、インハウス化を目指した事業再編のケースをもとに、アウトソーシングとインハウス化をわける要因を検討するものである。とくに取引コストアプローチの二つの観点から、両者の戦略の適合性を検討した。
敬愛大学経済文化研究所紀要
第11号