個人情報の管理と社会的承認 -信用情報機関のケースを中心に-
インターネットの普及にともない、消費者の個人情報は、企業が競争優位を獲得する上で必要不可欠な経営資源のひとつだと考えられるようになった。しかし、一方で、消費者の利益やその保護といった側面からの経営学的な側面からの研究は十分に行われていない。本論は、早期から個人情報をコアビジネスとしてきた信用情報産業のケースをもとに、こうした産業がどのような過程を経て社会的正当性を獲得し、プライバシーの保護と競争優位の確立を両立したのかを企業倫理の観点から考察した。
日本経営倫理学会誌
第9号