本稿は、P2P Lendingという、インターネットを介した個人間の金銭貸借という新しい金融サービスについて、貸し手のリスクの抑制という点からの検討を行ったものである。Stiglitz and Weiss(1981)が指摘したように、貸し手と借り手の間には情報の非対称性が存在する。それゆえに、その他の消費者金融サービスと同様に、P2P Lendingにおいても信用情報を基盤としたスキームづくりをすることによって、貸し手と借り手の間の情報の非対称性を解消することが肝要となる。P2P Lendingが既存の消費者信用サービスと異なるのは、コミュニティというソーシャル・キャピタルを活用することで、更に情報の非対称性を解消しようと働きかけている点であろう。