ILCでは約90%の偏極度を持つ入射電子ビームを用いた実験が予定されているため,自動計算プログラムGRACE/SUSY-loopを用いて,ILCにおける偏極電子ビームを用いたトップクォーク対生成断面積の解析を行った。その際,LHCの実験結果と矛盾せず,ダークマター密度の観測値とmuon g-2の測定値のずれを説明でき,さらにB物理実験と矛盾しないMSSMパラメータセットを考えた。偏極ビームを用いた場合は,超対称的なQCDおよび電弱補正の効果が増幅され,MSSMの検証と特徴的なシナリオの区別(軽いストップと重いストップの違い等)が無偏極の場合に比べてより明瞭になることを明らかにした。
共著者:浜田純平,國府田優作,市川晶裕,近匡,神保雅人,石川正,栗原良将,加藤潔,黒田正明 ROMBUNNO.20aK34‐3