少子化にともなう 18 歳人口の減少、環境問題や格差問題など山積する社会的課題、地域社会とのつなが
りの重要性などを背景に、大学に対する期待や要望は変化・多様化している。大学はその社会的責任
(University Social Responsibility:USR)として、社会・環境へ配慮しながらステイクホルダーのニーズ
に意味ある応答をしていくことが求められる。
千葉商科大学ではこうした問題意識のもと、USR や企業の社会的責任(CSR)に関する研究・議論を参考に
しながら、大学の USR 活動の評価・改善方法について学生とともに調査研究を進めている。これまで、
私立大学 30 校余による「私立大学社会的責任研究会」報告書(2006)や社会的責任に関する国際ガイダン
ス文書 ISO26000(2010)に示された指標をもとに、千葉商科大学の取り組みについて予備的な自己評価を
行った。そして USR を果たすために優先的に取り組むべき中核課題を「研究教育」「消費者課題(とく
に学生生活の改善)」「地域社会との繋がり」「環境問題への取り組み」に設定し、マテリアリティの検
討、とくに大学が取り組むべきSDGs (Sustainable Development Goals)の特定を行った。これらを踏ま
えて現在、USR 活動を評価・改善するためのKPI(Key Performance Indicator)の策定に取り組んでおり、本報告ではその進捗を紹介した。(奥寺:中核課題のうち「研究課題」を担当)