(査読あり)「中国における貧困対策の新たな模索―政府と保険会社の協働による『扶貧』を中心に」
経済成長とともに、中国は貧困削減において大きな成果を上げたが、なお多くの極貧人口を抱えている。本校は近年動き出した政府と保険会社の協働による「扶貧」活動に焦点を当て、その導入の意義を考察することを目的としている。1978年以来の貧困対策を4つの時期に分けて整理し政府の対応を明らかにしたうえで、「扶貧」活動に商業保険が登場する背景と地方の実践例を紹介した。政府のみが「公」ではなく、最低生活保障をどのようにフォーマルな形で実現していくのかが、中国的福祉ミックスを見極めるポイントである。
『中国研究月報』