中国における国民生活の最低限
第112回社会政策学会全国大会(立教大学)
本報告は、都市部住民の低所得層の生活に焦点を当てた。日本の『家計調査』からは低所得層ほど社会的固定費の割合が大きくなっていくことが明らかにされているが、中国ではこのような結果はみられなかった。そして、低所得層家計の所得・消費構造の分析を通じて、社会保障の固有の政策目的である生存権保障、つまり、国民生活の最低限が中国ではどのような形で実現されるべきか、その手かがりを提供した。