本稿では副題にみるように、資本と経費管理の双方に関わる混成指標を用いた分析を行っている。総資産回転率は設備投資といった資本コストが、事業利益率は労務費・人件費に関わっている。これらをみることで、日本企業の戦略上の特徴を見出すことを目的としている。内外部資金調達の容易さによって資産規模は決定される。分析結果からは従業員を維持しながら資本を投下し、拡大均衡を目指した日本企業の姿勢を知ることができた。ただし、収益率の低下がみられることは想定売上高を達成できなかったのか(回転率の上昇)、あるいは高付加価値商品の投入(利益率の上昇)することができなかった可能性を示唆している。又、これは同時に資本と労働が代替されることがなかったことを意味している。