日本の大企業とガバナンス-資本コスト認識の観点から-
証券経済学会 第68回全国大会-関西大学-
本報告では、ガバナンスが弱体であったとされる60年代から90年代後半までの日本の大企業のガバナンスを、長期時系列データを用いて資本コスト認識の観点から検証するものである。検証結果からは、BSの大きさを決定する要因の一つとして売上高を介して市場の期待(資本コスト)が資金コストとして認識されている可能性があり、一般的に説明し易いとされるキャッシュフローからの財務行動とも矛盾せずに従来から大企業は市場によるガバナンス下にあったことを示唆している。