「ドイツにおける中小企業の社会的責任と政府の振興政策」
ドイツを分析対象国として、特に中小企業がCSRをどこまで果たしうるのかを論じている。ドイツにおいては、EU次元で求められているCSRを実現するのが中小企業にとって困難であり、州政府の振興政策がCSR促進のために重要な役割を果たしている。こうした背景には、CSRが自社事業に有益に作用するか否かの判断には、しばしば長期的な視点での評価が必要だが、既存の資金調達市場がこれに対応しきれていない点がある。
慶応義塾大学商学研究科『市場経済と企業の社会的責任』