「欧州中央銀行制度の金融監督行政の役割」
日本金融学会中央銀行研究部会
金融機能の安定性を論ずる際、中央銀行が持つ最後の貸手機能を重視する見方がある。しかし、例えばドイツでは、ヘルシュタット危機後も中央銀行が最後の貸手機能を持つことはなく、金融機能の安定性はあくまで金融監督行政によるプルーデンス政策で保たれてきた。本報告では、EU における統一的なプルーデンス政策に関する議論を喚起すべく、欧州中央銀行制度が加盟各国の金融監督行政へ果たしうる役割を論じた。※共著者: 山村延郎※第1、4、5章を中心に執筆