国際化の進展と課税権の再検討
現在,我が国及びOECD 加盟国の多くで所得格差が拡大し、さらなる所得格差拡大が予想される。しかし,所得税における所得再分配機能に関して十分に検討されているとは言いがたい。また,国際化の進展が著しい今,現行の所得税における課税権の捉え方では,租税回避の新たな問題も指摘されている。そこで、適正な税の執行を実現するため,従来の課税権のあり方に捉われない世界をひとつとした新たな課税権のあり方を検討しなければならないのである。(P.97-110)
千葉商大論叢、第53巻第1号