金融所得課税に関する一考察
我が国では、経済成長のために金融資産活用の期待が高まっている。また、国際的に統一された財務報告基準の適用が拡大し、国際的な投資活動が一層進むことが予想される。そこで、所得税に関して諸外国の制度及び歴史的経緯を概観したところ、租税回避を困難とすることで公平性を担保し、かつ、所得再分配機能をみたす金融所得課税が求められる。したがって、我が国では、課税ベースを広く捉り、勤労性所得と資産性所得を区分して課税を行うべきであるとの結論に至った。(P.77~92)
嘉悦大学研究論集
53巻2号