経済環境の変化と法人税の損金経理要件
日本租税理論学会、名古屋大学
我が国では、世界的規模での企業活動を背景に会計基準及び税制改正が行われている。近年の企業の国際競争力確保のための税制改正は、企業会計と異なる処理に基づく改正が行われてきた。確定決算主義における損金経理要件を維持することは、会計上は必要としない経費の計上、経済回復のための税制を阻害することが懸念される。したがって、国際競争力の観点からは、企業会計を基礎とする損金経理要件は、撤廃も含めその在り方を再検討すべきである。