これまでの一連の研究から,教育実習において重視される様々なスキルが明らかとなってきたが,前回(相良ら, 2022)明確な結論が得られなかった「道徳性」について改めて検討を行った.具体的には,今年度新たに教育実習を終了した実習生108名を対象とし,道徳的規範尺度(玉田,2010)と,実習に関する自己評価および他者評価(実習校から得られた成績評価)の関係について検討を行った.その結果,前回と同様,実習生の持つ道徳性が教育実習場面では評価されないどころか,マイナスの評価を受ける可能性が示唆された.これを受け,今後の大学の教員養成課程においてどのような事前・事後指導を行うべきなのか検討を加えた.(相良麻里・相良陽一郎:担当部分=データ分析・考察部分の検討および本文執筆)