これまでの一連の研究から,教育実習において重視される様々なスキルが明らかとなってきたが,これまであまり明確に捉えられていなかった「道徳性」という面から改めて検討を行った.具体的には,今年度新たに教育実習を終了した実習生157名を対象とし,道徳的態度尺度(手島・安保,2017)と,実習に関する自己評価および他者評価(実習校から得られた成績評価)の関係について検討を行った.その結果,教職に必須と思われた道徳性が教育実習場面では必ずしも重視されているとは言えないことが示唆された.これを受け,今後の大学の教員養成課程においてどのような事前・事後指導を行うべきなのか検討を加えた.