これまでの一連の研究から,教育実習において実習生が感じる困難さの背後に,自己有能感と自己受容性に代表される自尊感情の問題があることが示されている.本研究では,新たに今年度教育実習を終了した実習生164名を対象とし,自尊感情尺度(Rosenberg, 1965; Tafarodi et al., 1995)と,実習に関する自己評価および他者評価(実習校から得られた成績評価),そして教員採用試験の合否結果との関係について検討を行った.その結果,自己有能感と自己受容性の両面が教育実習の多くの場面で良い評価につながりやすいことが示された.これを受け,今後の大学の教員養成課程においてどのような事前・事後指導を行うべきなのか検討を行った.(相良麻里・相良陽一郎:担当部分=データ分析・考察部分の検討および本文執筆)