これまでの一連の研究から,教育実習において実習生が感じる困難さの背後に,他者とのコミュニケーションの問題があることが示されている.本研究では,その問題が何に起因するものなのか検討するため,今年度教育実習を終了した実習生212名を対象とし,KiSS-18(菊池,2014)と,実習に関する自己評価および他者評価の関係を検討した.その結果,上記の問題はコミュニケーションおよびソーシャル・スキル双方の不足により引きおこされていると考えることが妥当であると判断された.さらに下位尺度の分析から,教育実習における重要なスキルが新たに見いだされた.これらの結果をもとに,効果的な事前・事後教育の検討が行われた.(相良麻里・相良陽一郎:担当部分=データ分析・考察部分の検討および本文執筆)