本研究では,教育実習を終了した実習生120名を対象とし,自らの実習をふり返って自己評価した場合,どのような評価を行うのか,実習校から報告される成績評価との関連で検討を行った.アンケートによる調査研究の結果,客観的な自己評価は実際の成績とかなり一致することが明らかとなった.ただし,実習校での他の教員とのコミュニケーション面など,自らの努力では解決しがたい側面の判断に関しては,自己評価と成績評価は一致しなかった.また,実習生が自らの実習に対して感じている主観的な満足度についても調べた結果,それほど成績評価とは一致しなかった.さらに,実習生の担当した教科ごとに分析を行ったところ,美術に関しては上記の結果とほぼ同様であったが,家庭科や理科・情報教科では異なる結果となった.こうした差異は教科ごとの特性が反映されたものと考えられ,今後の大学の事前・事後教育にとって,重要な視点を提供するものと考えられる.