本研究では,学習者のメタ認知能力に注目し,それが学習者の英語力・自己効力感・自律性等とどのように関わっているのかを検討した.その結果,学習者の英語力とメタ認知能力は正の相関関係にあることが明らかとなった.つまり英語力の低い学生は,1)問題解決プロセスに基づいた課題遂行能力が低く,2)課題遂行時に課題間の優先順位を決められず,3)自分が持っているはずの認知的方略を効果的に使用できないことが分かる.まだこの段階では英語力とメタ認知能力の因果関係を決めることはできないが,おそらくメタ認知能力の向上が英語力を高めることにつながるのではないかと考えられる.