文章理解における情報の構造化について
文章理解過程においてどのような内的表象が作られているのかを調べるため,命題表象の活性度の変化を指標として検討を行なった.その結果,人間が実際に生成し利用しているのは命題接続構造的な表象ではなく,いわゆるメンタルモデル(Johnson-Laird, 1983)的な理解表象であることが示された.この理解表象は,文章を読み進むにつれ次々と性質を変えてゆくことが明らかになっており,従来のメンタルモデル仮説に新たな観点を導入できるものと考えられる.
学習院大学修士論文