エモーショナルストレスが記憶に与える影響において,再生・再認という想起の形態がどのように関わっているのかを検討した.従来の他の研究では,再認テストに基づく実験(e.g.,Clifford & Scott,1978)では記憶抑制が,自由再生に基づくもの(e.g.,Brown & Kulik,1977)では記憶促進が観察されることが多い.そこで,前報(相良・越智, 1999)と同様の実験状況のもとで,自由再生の成績と再認テストの成績を比較した.その結果,明確にではなかったが,想起形態の影響について観察することができた.