解離性体験尺度(DES:Dissociative Experience Scale)とフラッシュバルブメモリーの関係について検討した.その結果,1)事件の記憶がフラッシュバルブメモリーを形成してはいるものの,2)解離性体験尺度のスコアは,事件のフラッシュバルブメモリーの記憶の量・鮮明さ・事件自体についての知識の量・リハーサルの程度のいずれの情報とも,ほとんど相関を持っていないこと,の2点が明らかとなった.これは,解離性体験尺度で測定される解離傾向の個人差は,フラッシュバルブメモリー現象と独立なものである可能性を示唆していると考えられる.