警察における目撃証言聴衆場面において,より多くの正確な情報を得るための技法として、認知インタビューが知られている。これは記憶プロセスの点では想起段階における技法といえる。しかし記憶の記銘プロセスにおいて記憶の正確性を向上させる技法については,ほとんど研究されていない.もしこのような技法が存在すれば,事件に遭遇することの多い警察官などにとっても有用であろう.そのような技法を 'cognitive encoding' と名づけ,具体的にどのような方法が適当かを調べた.その結果,見た状況を言語化すると同時に積極的な視覚的探索を行なうことによって,自由再生の成績が向上することが分かった.