本研究では,千葉商科大学商経学部の新入生の性格傾向が1980 年代からから現在(2018
年)にかけてどのように変化したかを,性格検査を用いて検討することを目的とした。調
査の方法として,1986 年度,2002 年度,2018 年度それぞれにおいて,千葉商科大学商経
学部1 年生の計2,390 人に対し,YG(矢田部・ギルフォード)性格検査の一般用に対し
て回答を求めて,年代による性格傾向の差の分析を行った。
調査の結果,1986 年,2002 年,2018 年と最近になるにつれて一貫して,敏感で情緒が
不安定になりやすい方向,およびおとなしくて消極的な方向に学生の性格が変化している
ことが確認された。しかし,このような変化は必ずしもネガティブな側面を表しているわ
けではなく,現代社会に対して適応的な側面を持つと考えられる。今後教育していくうえ
で,学生の性格傾向がこのように変化していることを認識し,その変化を単にネガティブ
な面から捉えず,学生の変化に沿ったやり方で教育や支援をしていくことが重要と考えら
れる。