平成26年4月より消費税率が8%に引き上げられる。迷走を繰り返したわが国初の大型間接税は、平成元年4月に当初税率3%で導入され、今や四半世紀が経過した消費税は日常生活の一部として定着している。しかし、国民の納税意識はほとんど無く、税痛を感じていない。なぜなら、現行税率が5%と低いことに加えて、商品に転嫁された間接税であるからである。わが国は、固有の領土、民族のもとで、言語、食、文化をはじめとするさまざまな風土を長い年月をかけて培ってきた。そして、戦後のシャウプ勧告において近代税制をスタートさせ、所得税、法人税といった直接税を基幹税としてきた。その後、わが国がいかなるプロセスで消費税導入に至ったのか、そして今後、消費税はどこへ向かうのかに言及した。