「カーター報告の概要」
1966年にカナダにおいて公表されたカーター報告(Report of the Royal Commission on Taxation)は、包括的所得税のモデル提案として全世界の研究者が参加した租税論の傑作である。同報告は、全6巻に索引を加えて2,695ページからなり、租税配分原則を自由所得を指標とする客観的能力説に依拠し、所得税体系での課税の公平を最重要案件とした。主要勧告は、課税ベース包括化と、個人所得税と法人所得税の完全統合であった。
『カーター報告の研究-包括的所得税の原理と現実-』五絃舎
第1章所収