「包括的課税ベース」
公平の達成を第一目標としたカーター報告はシャンツ=ヘイグ=サイモンズ概念の再現を目指した。まず、純ゲインの概念を出発点として実行可能性の観点から修正を加えた。贈与、遺贈を課税ベースに算入する徹底した提案であるが、帰属所得と未実現キャピタル・ゲインは非課税とした。サイモンズの定義からの乖離を最小限に抑え、実行可能性を追求した課税ベースであると評価できる。
『カーター報告の研究-包括的所得税の原理と現実-』五絃舎
第5章所収