「能力説」
租税配分原則は、能力説と利益説に大別される。能力説はさらに客観的能力説と主観的能力説に二分される。カーター報告は租税配分原則を客観的能力説に依拠することを積極的に打ち出し、その指標として自由所得(discretionary income)を採用し課税の公平を目指した。自由所得とは、個人が使用する財及びサービスを支配する課税単位の総経済力から、適切な生活水準を維持するために必要な拘束所得を控除したものである。
『カーター報告の研究-包括的所得税の原理と現実-』五絃舎
第2章所収