科学研究費補助金基盤研究A研究成果報告書『パルテノン彫刻研究—オリエント美術を背景とする再解釈の構築』(2018年度〜2021年度 代表:長田年弘)に所収された論文。2020年春にAmerican Journal of Archaeology誌上に掲載されたJ. van Rookhuijzenによるアテナ聖財財務官が管理し記録したアテナ女神の聖財の所蔵場所をめぐる新解釈について紹介するとともに、これによってポリスアテナイの聖財管理およびパルテノン神殿の存在そのものの意味がどう変わりうるかについての見通しを論じた。