決議碑文の建立の場としてのアクロポリスの成立
科学研究費補助金基盤研究A「パルテノン神殿の造営目的に関する美術史的研究」(代表:長田年弘[筑波大学])の研究成果報告書として出版された論文集に寄稿したもの。アクロポリスの通時的変遷について考察し、とくに前447年にはじまるアクロポリス再建事業の進展によりアクロポリスがいかに公的碑文の展示の場と変容していったかについて論じた。とりわけパルテノン神殿の落成と公的碑文建立の習慣の成立についての関連を論じ、また地方聖域における碑文建立の習慣とアクロポリスにおける碑文建立のあり方とを比較検討した。
『パルテノン神殿の造営目的に関する美術史的研究』153-165頁