科研費基盤研究A「古代地中海世界における知の伝達の諸形態」の年次研究会における報告。碑文におけるバルバロイという語の用法から、異民族との境界意識を探るとともに、エリート文化が作り出した境界意識をめぐる言説が時代とともにどのように受けつがれ、またそれが狭義のギリシア世界から、地中海世界全域へとどのように拡大していったかについての考察をおこなった。本報告は2015年6月にオクスフォードでおこなった報告、および2015年10月に古代史の会でおこなった報告をさらに広い視野から考察しようとしたものである。